プログラミングスクールの卒業後、就職先の説明で「SES」という言葉を見かけることがあります。ネット上には「SESはやめとけ」という意見も多く、不安に感じる方もいると思います。この記事では、SESとは何かを整理したうえで、メリット・デメリットを中立的に確認し、客先常駐にかかわる法律の線引きや、2026年1月に始まった取適法の要点にも触れます。最後に、当サイトが掲載しているスクールの中でSES就職が中心になりやすい傾向がある例を紹介します。公的資料と民間調査の記述は2026年10月に原文で照合しました。
SESとはどんな働き方か
SES(システムエンジニアリングサービス)は、自社に所属するエンジニアが、契約先の企業(客先)に常駐して開発業務などを行う働き方です。契約は準委任などの形をとることが多く、エンジニア自身は所属企業(SES企業)に雇用されたまま、案件ごとに異なる客先で働くことになります。
見た目は労働者派遣とよく似ています。違いは契約の名前ではなく、現場で誰が仕事の指示や勤怠の管理をしているかという実態にあります。厚生労働省の基準では、請負や準委任として認められるには、受託した側(SES企業)が自分の社員への業務の指示や労働時間の管理などを自ら行っている必要があります。客先の社員が直接指示を出しているなら、契約書が準委任でも派遣と同じものとして扱われる可能性があります。この点は後の「偽装請負と二重派遣」の節で詳しく整理します。
未経験からエンジニア転職を目指す場合、実務経験を積む入口としてSES企業への就職を選ぶ人は少なくありません。IT業界の中でも求人数が多い雇用形態のひとつです。
SESのメリット・デメリット
| 観点 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 実務経験 | 未経験でも採用されやすく、現場経験を積みやすい | 案件によって触れる技術領域が限定される場合がある |
| 案件の選択 | 複数の現場を経験できる可能性がある | 自分で客先を選べないことが多く、希望と異なる現場に配属されることがある |
| 雇用の安定性 | SES企業に正社員として雇用される場合、案件がなくても雇用は継続する契約が一般的 | 案件終了時に次の配属が決まるまでの扱いは企業によって差がある |
| スキルアップ | 複数の現場・技術に触れることで応用力がつく場合がある | 常駐先によっては保守・運用中心で開発経験を積みにくい場合がある |
「SESはやめとけ」という意見の多くは、自分で配属先を選べない点、保守・運用中心の現場に配属されると開発スキルが伸びにくい点に集中しています。一方で、未経験からの入口として実務経験を積む手段になっている面もあり、一律に「悪い」と言い切れるものではありません。大切なのは、入社するSES企業がどんな案件を扱っているか、教育体制やキャリア相談の仕組みがあるかを、入社前にできる限り確かめることです。
多重下請け構造の実態(公正取引委員会の調査より)
「SESはやめとけ」という意見の背景には、IT業界特有の多重下請け構造への懸念があります。感覚的な話で終わらせず、公的機関が実際に調べた数字を見ておきます。
公正取引委員会は2022年6月29日、「ソフトウェア業の下請取引等に関する実態調査報告書」を公表しました。資本金3億円以下のソフトウェア事業者約2万1,000社を対象にしたアンケートと、関係事業者・団体へのヒアリングをもとにまとめられたものです。法人向けアンケート(回答数4,589)では、回答企業の取引上の位置付けが次のように分かれました。
| 取引上の位置付け | 割合 |
|---|---|
| 元請 | 40.4% |
| 中間下請 | 38.2% |
| 最終下請 | 21.3% |
報告書は、資本金3億円以下の事業者でも元請の立場にある事業者が多い、と述べています。「小さな会社はみな下請け」という見方は、少なくともこの調査の数字とは合いません。ネットで見かける強い言葉ほど、こうした数字と並べると印象が少し変わります。業界全体のイメージで決めるより、応募先の一社がどの位置で仕事を受けているかを見るほうが確かです。
報告書の自由回答には、「個人事業者として活動していた際に6次下請の末端技術者として参加したことがある」という事例が載っています。報告書はこれを、多層化がかなり進んだ事例が報告された例として扱っています。ただし「最大で6次」と断定した調査結果ではなく、別の回答には「最大で4次請け案件の経験がある」というものもあります。
同じ調査では、下請法の違反行為に該当すると考えられる経験をした事業者の割合も示されています。「買いたたき」が15.7%、「支払遅延・不払い」が7.4%でした。ほかに不当な給付内容の変更14.2%、下請代金の減額13.5%、受領拒否9.6%、不当なやり直し8.1%という結果も並んでいます。
この調査はソフトウェア業界全体の事業者を対象にしたもので、SES契約に限った数字ではありません。また、回答は事業者としての経験で、エンジニア個人の待遇を直接測ったものでもありません。それでも、公正取引委員会は調査の趣旨として、多重下請構造型のサプライチェーンの中で買いたたきや仕様変更への無償対応要求といった違反行為の存在が懸念されている、と書いています。入社を検討するSES企業が下請構造の中でどの位置にいるか(元請か、何次請けか)を、可能な範囲で知っておく意味はあります。
偽装請負と二重派遣:客先常駐で知っておきたい法律の線引き
SESでよく話題になるのが「偽装請負」と「二重派遣」です。どちらも契約書の名前ではなく、働き方の実態で判断されます。
37号告示が定める「受託側が自ら行うこと」
派遣と請負(準委任などを含む)の区別には、厚生労働省の「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(昭和61年労働省告示第37号、いわゆる37号告示)が使われます。告示は、次のような管理を受託側の事業主が自ら行っていなければ、その事業主は労働者派遣事業を行う者になる、という書き方をしています。
| 項目 | 受託側(SES企業)が自ら行うこと |
|---|---|
| 業務の遂行 | 業務の進め方に関する指示や管理、業務の評価に関する指示や管理 |
| 労働時間 | 始業・終業の時刻、休憩、休日、休暇などの指示や管理(単に把握するだけでは足りない)、残業・休日労働の指示や管理 |
| 服務規律 | 職場の規律に関する指示や管理 |
| 配置 | 誰をどこに配置するか、その変更の決定 |
| 業務の独立性 | 請け負った業務を自分の業務として、相手方から独立して処理すること(資金の調達や事業主としての責任を含む) |
告示の第3条は、法律の規定を逃れるために故意に請負を装っていても、真の目的が労働者派遣であれば派遣事業を行う者であることを免れない、とも定めています。
準委任でも「実態」で判断される
厚生労働省は、この基準の考え方を「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」の疑義応答集で示しています。第3集はアジャイル型開発を題材にしたもので、本文に「SES」という言葉は出てきません。それでも、回答の中には委任・準委任も同様であり、準委任契約で行われる場合でも、実態として発注者と受注者側の労働者との間に指揮命令関係があれば、契約の形式を問わず労働者派遣事業に該当する、という一文があります。現場に入ったばかりの頃は、誰の指示で動くのが本来の形なのかを意識する余裕はなかなかありません。入社前にこの線引きを知っておくだけでも、違和感に気づける場面は増えると思います。
同じ回答では、発注者側の担当者が受注者側の担当者に直接、業務の進め方や労働時間などを指示するような場合には偽装請負と判断される、とも説明されています。ここから読み取れるのは、SESでも客先から直接指示を受けていれば、契約の名前ではなく実態で判断されるということです。
次のような状況が続いているなら、一度立ち止まって確認したほうがよいサインです。
- 客先の社員から、毎日の作業内容や進め方を直接指示されている
- 出退勤の時刻や残業、休暇の可否を客先の社員が決めている
- 客先の判断で担当業務や配置が変わり、自社の担当者は事後に知らされるだけ
二重派遣と職業安定法第44条
職業安定法第44条は、法律で認められた場合を除き、労働者供給事業を行うこと、そして供給された労働者を自分の指揮命令の下で働かせることを禁じています。派遣先として受け入れた労働者を、さらに別の会社の指揮命令の下で働かせる、いわゆる二重派遣はこれにあたるとされています。
実際の処分例もあります。厚生労働省と大阪労働局は2018年3月29日、「いわゆる違法な『二重派遣』を行っていた派遣元事業主に対する行政処分について」を発表しました。職業安定法第44条で禁止される労働者供給事業(いわゆる二重派遣)を行っていたことが大阪労働局と静岡労働局の合同調査で明らかになり、派遣元に労働者派遣事業停止命令と改善命令が出されています。多重下請けの現場で、自分がどの会社の指示で働いているのか分からない状態は、こうした問題と隣り合わせになりやすいと考えておくとよいでしょう。
働き方に疑問を感じたら、まず所属するSES企業の担当者に状況を伝え、それでも解決しない場合は都道府県労働局に相談する方法があります。この節は公的資料の内容を紹介したもので、個別の事案についての法的助言ではありません。
2026年1月から下請法が「取適法」に:多重下請けの取引はどう変わったか
多重下請けの取引ルールを定めてきた下請法は、改正法が2025年5月に成立し、2026年1月1日から「中小受託取引適正化法」(通称:取適法)として施行されています。呼び方も変わり、親事業者は「委託事業者」、下請事業者は「中小受託事業者」になりました。公正取引委員会の資料から、主な変更点を挙げます。
- 手形払が禁止され、電子記録債権などでも支払期日までに代金満額を受け取るのが難しい方法は禁止された
- 代金について協議に応じない、必要な説明をしないといった、一方的な代金決定が禁止された
- 資本金の基準に加えて従業員数の基準ができた(300人、役務提供委託などは100人の区分)
- プログラムの作成(情報成果物作成委託)や情報処理(役務提供委託)も、引き続き対象取引に含まれる
取適法は事業者同士の取引を対象にした法律で、SES企業に入社する個人が直接使う法律ではありません。ただ、所属する会社が元請や上位の会社とどんな条件で取引しているかは、案件の単価や支払いの安定性を通じて働く人にも関わってきます。会社選びの際に「取引先との契約条件をどう管理しているか」を気にかけておく程度の位置づけで十分です。
スクールの就職先がSES中心になりやすい例
当サイトが掲載しているスクールの中には、紹介記事によって「就職先がSES企業中心になりやすい」と指摘されているところがあります。たとえばネットビジョンアカデミーは、複数の紹介記事で「紹介先はSES形態の客先常駐企業が中心になりやすい」と指摘されており、口コミにも「就職先がSES企業が中心になり、自分で就職先を選べない」という声があります。
これはネットビジョンアカデミーに限った話ではありません。無料または低価格のスクール、特にインフラ・ネットワーク分野を扱うスクールは、採用企業からの紹介料で運営が成り立つ仕組み上、SES企業への紹介が中心になりやすい傾向があります。「無料だから」「安いから」という理由だけでスクールを選ぶ前に、就職先の傾向を確かめておきましょう。受講料がかからないことと、その先の選択肢が絞られやすいことは表裏の関係にあります。SESでの経験を足がかりにするつもりがはっきりしている人なら、この仕組みを承知のうえで選ぶのも一つの判断です。
SES就職を避けたい場合の考え方
- 自社開発企業・受託開発企業への転職実績を公表しているスクールを確認する。たとえばRUNTEQは就職実態レポートで、就職先の8割が自社開発・受託開発企業だったと公表しています。就職先の傾向をデータで示しているスクールは判断材料にしやすくなります
- 無料カウンセリングで具体的な就職先企業の傾向を質問する。「客先常駐はありますか」「自社開発企業への就職実績はどれくらいありますか」と具体的に聞くと、案内資料だけでは分からない情報が得られることがあります
- SES自体を否定せず、入社先の教育体制を見る。SES企業の中にも、研修制度が充実している企業とそうでない企業があります。契約形態そのものより、入社する企業の中身のほうが働きやすさを左右します
入社前に確認しておきたいチェックポイント
- 自社での研修期間があるか。入社後すぐに客先常駐になるのか、一定期間の研修を経てから配属されるのかで、未経験からの立ち上がりやすさが変わります
- 案件の変更頻度と希望の反映度。案件が定期的に見直される仕組みがあるか、本人の希望がどの程度反映されるかを確認してください
- 商流の深さ。案件によっては元請けから複数の企業を経由して契約されることがあります。可能であれば、主な案件で元請けとの間に何社入っているかを聞いておくと安心です
- 現場での指示系統。客先で誰から作業の指示を受け、勤怠を誰が管理するのかは、前の節で触れた偽装請負の問題とも関わります
- 評価制度とキャリア相談の仕組み。客先に常駐していると、自社の上司と接する機会が減りがちです。定期的な面談やキャリア相談の仕組みがあるかどうかは、長く働くうえで欠かせない要素です
面接で聞く質問の例
聞きにくいと感じるかもしれませんが、答え方そのものが会社の姿勢を知る手がかりになります。その場で即答できなくても、確認して後日伝えると言ってくれる会社なら、入社後の相談にも同じように向き合ってくれる期待が持てます。
| 質問 | 聞く理由 |
|---|---|
| 主な案件は元請けから直接受けていますか。間に入る会社は何社くらいですか | 商流の深さが分かり、取引条件や情報の伝わり方を想像しやすくなる |
| 客先での作業指示や勤怠管理は、どなたが行いますか | 自社の管理者が現場に関わっているかを確認でき、偽装請負の心配がないかの目安になる |
| 入社後、最初の配属まではどのような研修がありますか | 未経験から現場に出るまでの準備期間と内容が分かる |
| 配属先の希望はどのように伝え、どの程度反映されていますか | いわゆる案件ガチャの度合いと、希望を出す仕組みの有無が分かる |
| 案件が終わった後、次の案件が決まるまでの給与や待機中の扱いはどうなりますか | 案件の切れ目で収入が不安定にならないかを確認できる |
| 自社の上司との面談はどのくらいの頻度で行われますか | 客先常駐中でも評価やキャリア相談の機会があるかが分かる |
これらは求人票や会社説明会だけでは見えにくい部分です。可能であれば、実際に働いている社員の話を聞く機会(OB訪問や口コミサイトなど)も活用してみてください。
SESが向いている人・向いていない人
向いているのは、まず実務経験を積むことを最優先にしたい人、複数の現場・技術に触れることに抵抗がない人です。未経験から一つの企業でじっくり育ててもらう選択肢が見つからない場合、SES企業を経由して実務経験を積み、数年後に転職するというキャリアパスを選ぶ人もいます。
反対に、特定の技術・開発工程を集中して極めたい人や、自分で職場環境を選びたい気持ちが強い人には合いにくいでしょう。その場合は、就職先の傾向を公表しているスクールや、自社開発企業への転職支援を掲げるスクールを優先して検討するのが近道です。
実際に働いているSESエンジニアの声
SES企業自身が発信している調査もあります。株式会社BTMのマーケティングチームは、2025年11月12日公開のnote記事で、同社のSESエンジニア92人に行ったアンケートの結果を紹介しています。記事に調査の実施時期は書かれていません。また、対象は同社のエンジニアで、同社の採用や広報を目的としたメディアでもあるため、業界全体の傾向を表す数字としては読めない点に注意が必要です。
肯定的な回答
「SESエンジニアとしてキャリアを広げることは可能だと感じますか」という質問に約88%が可能だと答え、約86%が「顧客企業の課題解決に貢献できたと感じた場面がある」と答えています。
「やめとけ」と言われる理由への回答
同じ記事では、「SESはやめとけ」と言われる理由を同社のエンジニアに尋ね、「実態を知らない人の誤解が多いため」という回答が30.4%だったとしています。記事は不安の原因として、希望する案件に配属されるとは限らない「案件ガチャ」、研修と現場業務のずれ、客先常駐による帰属意識の薄れにも触れています。
もう一つ、フリーランスエンジニア向けの案件紹介を手がける株式会社SOFAの自社メディア「SOFAマガジン」の記事にも調査結果が載っています。2025年9月24日にクラウドワークスで実施したインターネット調査で、対象はSESエンジニアとして働いた経験がある74人です。回答者の年齢は30代が47.30%と最も多く、20代21.62%、40代22.97%でした。雇用形態は正社員63.51%、契約社員17.57%、業務委託18.92%です。人数が少なく一般化はできませんが、SESで働く人の年齢や雇用形態には幅があることがうかがえます。
SES企業への就職に関するよくある質問
SES企業への就職は本当にやめた方がいいですか
一律に「やめた方がいい」とは言えません。未経験からの実務経験を積む入口として機能している面がある一方、配属先を選べない、保守・運用中心になりやすいといった懸念もあります。入社を検討する企業の案件内容・教育体制を個別に確認することが欠かせません。
SESと派遣はどう違いますか
派遣は、派遣先の企業が労働者に直接指揮命令をする仕組みです。SESは準委任などの契約で、業務の指示や労働時間の管理はSES企業が自ら行うことが前提になります。ただし、どちらに当たるかは契約の名前ではなく実態で判断されます。厚生労働省の37号告示と疑義応答集の考え方では、準委任でも客先が直接指揮命令していれば労働者派遣事業に該当します。
客先の社員から直接指示されるのは違法ですか
一つの場面だけで決まるものではなく、業務の指示や勤怠管理を実際に誰が行っているかという実態で判断されます。客先から直接、日々の作業や勤務時間の指示を受ける状態が続いているなら、所属企業に相談し、必要に応じて労働局にも問い合わせてみてください。
取適法の施行でSESエンジニアの給料は上がりますか
取適法は企業同士の取引条件を定める法律で、エンジニア個人の給与について直接の規定はありません。一方的な代金決定の禁止などが所属企業の取引条件に影響する可能性はありますが、給与にどう反映されるかは会社によって異なります。
スクールの就職先がSES中心かどうか、どう確認すればいいですか
公式サイトの転職実績ページを見るほか、無料カウンセリングで具体的に質問するのが確実です。紹介記事や口コミから就職先の傾向が読み取れることもあります。
SES企業で経験を積んだ後、転職できますか
可能です。SES企業で実務経験を積んだ後、自社開発企業やより希望に近い職場へ転職するキャリアパスは一般的です。ただし、どのような案件経験を積んだかによって、次の転職での評価は変わります。
無料のスクールはSES就職が前提ですか
必ずしもそうとは限りません。ただ、無料または低価格のスクールは採用企業からの紹介料で運営が成り立つ仕組みが多く、結果としてSES企業への紹介が中心になりやすい傾向があります。入会前に就職先の傾向を確かめておきましょう。
自社開発企業への就職を目指すには何を優先すべきですか
就職先の傾向をデータで公表しているスクールを選ぶこと、そしてポートフォリオの完成度を上げることです。自社開発企業は選考でポートフォリオを重視する傾向があるため、各スクールの公式サイトでカリキュラムの内容も見比べてください。
入社を検討しているSES企業が多重下請けの何次請けかを確認する方法はありますか
採用ページや会社説明会で主要な取引先(元請企業名や業界)を確認する方法があります。「元請から直接契約しているか」「間に他社を挟んでいるか」を面接で質問するのも有効です。公正取引委員会の2022年の調査では、資本金3億円以下のソフトウェア事業者の回答で、最終下請の位置にある事業者は21.3%でした。階層の深さは企業によって差があります。
実際に働いているSESエンジニアは満足していますか
株式会社BTMが自社のSESエンジニア92人に行ったアンケートでは、約88%がキャリアを広げることは可能だと答え、約86%が顧客企業の課題解決に貢献できたと感じた場面があると答えています。ただし同社の自社アンケートで調査時期の記載もなく、業界全体の満足度を示すものではありません。満足度は配属先の企業・案件によって差が大きいとみておくのが現実的です。
まとめ
SES企業への就職は、未経験からの実務経験を積む入口として機能する一方、配属先を選べない、保守・運用中心になりやすいといった懸念もあります。客先常駐では、誰から指示を受け、誰が勤怠を管理しているかという実態が法律上の線引きになる点も覚えておいてください。「SESだから悪い」と一律に判断せず、入社を検討する企業の案件内容、商流、教育体制を面接などで確かめることが大切です。スクール選びの段階でも、就職先の傾向を公表しているか、無料カウンセリングで具体的に確認できるかを判断材料にしてください。
参考:公正取引委員会「ソフトウェア業の下請取引等に関する実態調査報告書」(2022年6月29日公表)、厚生労働省「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(昭和61年労働省告示第37号)と同基準の疑義応答集(第3集)、厚生労働省・大阪労働局「いわゆる違法な『二重派遣』を行っていた派遣元事業主に対する行政処分について」(2018年3月29日)、公正取引委員会の取適法関係ページと概要資料・リーフレット、株式会社BTMマーケティングチームのnote記事(2025年11月12日公開)、SOFAマガジン「【アンケート調査あり】SESエンジニアの採用のポイントを解説!実際に働く人の声も紹介」。いずれも2026年10月に確認しました。スクールの就職先の傾向は各スクール公式サイト、紹介記事・口コミサイトの情報(2026年9月確認)によるもので、時期や採用状況によって変わる可能性があります。
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