料金と給付金

公共職業訓練と求職者支援訓練の違い【2026年】無料でプログラミングを学べる国の制度を整理

プログラミングを無料で学べる方法として、民間のプログラミングスクールの「無料コース」以外に、国が運営する「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」という選択肢があります。当サイトは民間スクールを中心に扱っていますが、公的な制度も学び方の候補として比べておく価値があります。この記事では、2つの制度の違いと、当サイトが扱う民間スクールとの位置づけの違いを整理します。

この記事の位置づけ

当サイトの受講料が無料のプログラミングスクール9校を横断比較は、就職先企業からの協賛金・紹介料で運営費をまかなう民間スクールのみを扱っています。一方、この記事で扱う公共職業訓練・求職者支援訓練は、国(厚生労働省)が所管し、ハローワークを窓口とする別の制度です。運営主体・対象者・選考の有無が民間スクールとは大きく異なるため、別記事として整理します。

2つの制度の違い一覧

項目 公共職業訓練 求職者支援訓練
主な対象者 雇用保険の受給資格がある人(離職者) 雇用保険を受給できない人(未加入・加入期間不足・受給終了後等)
運営 職業能力開発促進センター(ポリテクセンター、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構=JEEDが運営)や都道府県立の職業能力開発校 民間の教育訓練機関に国が委託
受講料 無料(テキスト代等は実費) 無料(テキスト代等は実費)
訓練期間 3ヶ月〜最長2年(IT系は3〜7ヶ月程度のコースが多い) 2〜6ヶ月
給付金 原則なし(雇用保険の基本手当は継続して受給可) 職業訓練受講給付金(要件を満たせば月10万円+通所手当)
選考 書類選考・面接・筆記試験 書類選考・面接

出典:厚生労働省「求職者支援制度のご案内」(2026年9月確認)

公共職業訓練とは

誰が対象か

雇用保険の受給資格がある離職者が主な対象です。ハローワークで求職申込みをした上で、訓練の必要性が認められると受講できます。運営はポリテクセンター(JEED運営の職業能力開発促進センター)や都道府県立の職業能力開発校で、IT系ではJava・Webプログラミング・データベース・ネットワーク構築等を扱うコースが全国で開講されています(訓練期間は3〜7ヶ月程度のコースが中心、地域・年度により内容は異なります)。

受講料と給付金の関係

受講料自体は無料ですが、公共職業訓練は原則として職業訓練受講給付金の対象外です。その代わり、雇用保険の基本手当(失業給付)を訓練期間中も継続して受給できる点が特徴です。受講料が無料という点に目が行きがちですが、離職中の人にとっては、学んでいる間の収入が途切れにくいことのほうが、最後まで通えるかを左右する面が大きいように思います。

公共職業訓練は雇用保険の受給資格がある人向けの制度なので、自営業・フリーランスとして活動していて雇用保険に加入していなかった人や、学卒後に就職していない人はそもそも対象になりません。その場合は次に説明する求職者支援訓練が候補になります。

求職者支援訓練とは

誰が対象か

雇用保険を受給できない人(雇用保険未加入・加入期間不足・受給期間終了後等)が対象です。ハローワークへの求職申込みと、労働の意思・能力があることが前提になります。運営は民間の教育訓練機関(スクール等)に国が委託する形で、訓練期間は2〜6ヶ月です。

職業訓練受講給付金の支給要件

審査に通過すると、訓練期間中に給付金を受け取りながら学べます。厚生労働省の公表資料によると、支給要件は以下のとおりです(2026年9月確認)。

要件 基準
本人の月収 8万円以下
世帯全体の月収 30万円以下
世帯全体の金融資産 300万円以下
土地・建物 現住所以外に所有していないこと
出席率 訓練実施日全てへの出席が原則。やむを得ない理由がある場合でも8割以上の出席が必要
支給内容 金額
職業訓練受講手当 月10万円
通所手当 月上限42,500円(定期券代相当)
寄宿手当 月10,700円(訓練のため家族と別居して寄宿する場合)

収入・資産の要件を満たさない場合、または出席率が8割を下回った場合は給付金を受け取れません。受講自体は無料のままですが、生活費の支えを当てにして申し込む場合は、要件を事前にハローワークで確認しておくことを強くおすすめします。

職業訓練受講給付金の8つの要件と、訓練中に使えるお金

上の表では収入・資産・出席率に関する5つの要件を紹介しました。厚生労働省のハロトレ特設サイトでは、雇用保険を受給できない人が職業訓練受講給付金を受け取るための要件を8項目に整理しています。給付金を受け取るには8項目すべてを満たす必要があります。

番号 要件
1 本人の月収が8万円以下
2 世帯全体の月収が30万円以下
3 世帯全体の金融資産が300万円以下
4 現住所以外に土地・建物を所有していない
5 訓練の出席率が80%以上
6 世帯内に同じ給付金を受給している人がいない
7 過去3年以内に不正受給をしていない
8 過去6年以内にこの給付金を受給していない

1〜5は本人と世帯の収入・資産、そして出席状況に関する要件です。追加の6〜8は、家族の状況と過去の受給歴に関する要件になります。本人の収入だけを見て大丈夫だと考えていると、世帯の金融資産や家族の受給状況のように、自分ひとりでは決まらない条件に引っかかることもあり得ます。家族と暮らしている人ほど、申し込む前に世帯の状況を一度確かめ合っておくと、あとで慌てません。

  • 6は同じ世帯の中での重複を確認する要件です。家族がすでにこの給付金を受けている場合は、その人の受給状況もあわせて確認しておきます。
  • 7は過去3年間に不正受給の記録がないことが条件です。
  • 8は前回の受給から6年以上たっていることが条件です。以前にこの給付金を受け取ったことがある人は、受給した時期を確認しておくと手続きがスムーズです。

雇用保険を受給できる人が訓練を受ける場合は、仕組みが変わります。基本手当に加えて受講手当(日額500円、上限あり)と通所手当(上限あり)が支給されます。訓練中の生活費を考えるときは、自分が雇用保険を受給できる立場かどうかを最初に確かめておくと、使えるお金の種類が整理しやすくなります。

この内容は制度の概要を紹介するもので、個別の受給可否は最寄りのハローワークで確認してください。

出典:厚生労働省「ハロートレーニング」特設サイト(2026年10月確認、https://www.mhlw.go.jp/hellotraining/support/)

2025年4月から、自己都合で辞めても訓練を受ければ給付制限が解除される

自己都合で正当な理由なく退職した場合、雇用保険の基本手当は、受給資格決定日から7日間の待期が満了した後も1〜3か月間は支給されません。この期間を給付制限といいます。令和7年(2025年)4月以降は、リ・スキリングのために教育訓練等を受けた人や受けている人について給付制限が解除され、基本手当を受給できるようになりました。辞めてから学び直そうとする人にとっては、収入のない期間が延びる心配を一つ減らす改正で、学ぶことを後押しする方向に制度が動いているのは心強い変化です。

対象になる教育訓練等

次のいずれかの教育訓練等が対象です。いずれも令和7年4月1日以降に受講を開始したものに限られます。

  1. 教育訓練給付金の対象となる教育訓練
  2. 公共職業訓練等
  3. 短期訓練受講費の対象となる教育訓練
  4. 1〜3に準ずるものとして職業安定局長が定める訓練

受講の時期は2通りあります。離職日前1年以内に受けた場合と、離職日以後に受けている場合です。離職日前1年以内の受講は、途中で退校した場合は該当しません。

ハローワークへの申し出と期限

給付制限の解除を受けるには、ハローワークへの申し出が必要です。申し出は受講を開始した後に行い、受給資格決定日、または受給資格決定後の初回認定日までに済ませます。給付制限が2か月以上で、初回認定日以降かつ給付制限期間中に受講を開始する場合は、申し出の期限に注意が必要です。詳しい扱いはリーフレットとハローワークで確認してください。

プログラミング学習との関係

この記事で紹介した公共職業訓練は、対象の2「公共職業訓練等」に当たります。民間のプログラミングスクールは、受講するコースが教育訓練給付金の指定講座であれば1に当たる可能性があります。指定を受けていないコースは対象外になりうるため、受講前にそのコースが指定講座かどうかを確認しておくと安心です。指定講座を持つスクールは給付金が使えるプログラミングスクール一覧で整理しています。

実際に給付制限が解除されるかどうかは、個別の状況をもとにハローワークが判断します。自己都合での退職を考えている人や、すでに退職して訓練を検討している人は、受講を始める前にハローワークへ相談しておくと手続きの流れを把握できます。

この内容は制度の概要を紹介するもので、個別の受給可否は最寄りのハローワークで確認してください。

出典:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます」(2026年10月確認、https://www.mhlw.go.jp/content/001441564.pdf)

民間スクールと何が違うのか

当サイトが扱う民間スクールとの最大の違いは、選考があり、誰でもすぐ始められるわけではない点です。民間スクールは基本的に申し込めばすぐ受講できますが、公共職業訓練・求職者支援訓練はハローワークでの求職申込みと選考(書類・面接、コースによっては筆記試験)を経る必要があり、応募から受講開始までに1〜2ヶ月程度かかることも珍しくありません。また、カリキュラムの内容は民間スクールほど頻繁には更新されない傾向があり、最新のフレームワークやAI関連技術を扱うコースは限られます。とはいえ、未経験の段階で身につけたいのは流行の技術より土台の部分であることも多く、最新かどうかだけで公的訓練を候補から外すのはもったいない気がします。一方で、求職者支援訓練は要件を満たせば月10万円の生活費支援を受けながら学べる点は、民間スクールにはない大きな利点です。給付金が使えるプログラミングスクール一覧で扱う教育訓練給付金(受講料の一部が戻る制度)とは異なり、こちらは受講料自体が無料な上に生活費が支給される制度である点も押さえておきたい違いです。

どちらを選ぶべきか

  • 雇用保険の受給資格がある(離職前に一定期間働いていた)人 → 公共職業訓練が候補。基本手当を受給しながら学べます。
  • 雇用保険を受給できない(フリーランス期間が長い、学卒未就職、加入期間不足等)人 → 求職者支援訓練が候補。収入・資産要件を満たせば給付金の対象になります。
  • すぐに学習を始めたい、選考や書類手続きの手間をかけたくない人 → 民間スクール(当サイトのプログラミングスクールおすすめ比較を参照)が現実的な選択肢になります。

申し込み手順

  1. 最寄りのハローワークで求職申込みをする
  2. 希望するコースの説明会・見学に参加する(開催の有無はコースにより異なります)
  3. 受講申込み、選考(書類選考・面接、コースによっては筆記試験)を受ける
  4. 合格通知後、受講開始(求職者支援訓練の場合はあわせて給付金の受給資格を確認)

よくある失敗・注意点

訓練期間中にアルバイト等で収入が増えると、求職者支援訓練の給付金要件(本人月収8万円以下)を満たせなくなり、支給が止まることがあります。生活費を給付金に頼る計画を立てる場合は、収入の変動に注意してください。また、出席率8割を下回ると給付金が打ち切られるため、体調管理や急な用事への対応も事前に考えておく必要があります。コース選びの際は、IT分野の最新のコース内容(扱う言語・フレームワーク)が自分の目指す進路に合っているか、必ず募集要項で確認してください。

公共職業訓練・求職者支援訓練に関するよくある質問

公共職業訓練と求職者支援訓練、どちらが自分に合いますか

雇用保険の受給資格があるかどうかが最初の分かれ目です。受給資格がある場合は公共職業訓練、ない場合は求職者支援訓練が候補になります。詳しくは最寄りのハローワークに相談してください。

職業訓練受講給付金はいくらもらえますか

要件を満たせば、職業訓練受講手当が月10万円、通所手当が月上限42,500円、別居して寄宿する場合は寄宿手当が月10,700円支給されます(2026年9月時点、厚生労働省公表資料)。

IT系のコースはどんな内容が選べますか

Java・Webプログラミング・データベース・ネットワーク構築などを扱うコースが各地のポリテクセンター・職業能力開発校、求職者支援訓練の委託先スクールで開講されています。コース内容・開講時期は地域・年度により異なるため、ハローワークまたは各施設の公式サイトで最新の募集要項を確認してください。

民間のプログラミングスクールと比べて何が違いますか

最大の違いは選考の有無です。民間スクールは基本的に申し込めばすぐ受講できますが、公共職業訓練・求職者支援訓練はハローワークでの求職申込みと選考を経る必要があります。一方、求職者支援訓練は要件を満たせば生活費の給付金を受けながら学べる点は民間スクールにはない利点です。

出席できない日があるとどうなりますか

求職者支援訓練では、やむを得ない理由がある場合でも訓練実施日の8割以上の出席が給付金受給の条件です。8割を下回ると給付金が支給されなくなります。公共職業訓練でも出席状況によっては訓練継続の可否に影響することがあるため、詳細は受講先に確認してください。

どこに申し込めばいいですか

どちらの制度も、まず最寄りのハローワークで求職申込みをすることが起点になります。具体的なコース情報・開講スケジュールは、ハローワークの窓口または各都道府県のポリテクセンター・職業能力開発校の公式サイトで確認できます。

参考:厚生労働省「求職者支援制度のご案内」(2026年9月確認、https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyushokusha_shien/index.html)。コース内容・支給要件・金額は制度改正により変更される場合があるため、申し込み前に必ず最寄りのハローワークで最新情報を確認してください。

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